せっかく絵描きがパリに来たからにはぜひ行っておかなくてはなりますまいLouvre(笑)。
全部回るには到底一日では足りないなどということは百も承知ですが。
芸術関連は私と妹の興味範囲・程度が特に著しく違うので今日は入場したところでいきなり解散、あとは夕食まで別行動です。
ヨーロッパの歴史ある美術館・博物館の多くがそうであるように、ここLouvreも建物自体が城砦から城館へと至る長い歴史を持つひとつの史跡です。
実際砦だった時代の環濠部分などがその変遷を表す模型とともにLouvre Midieval
という展示企画になっていたりします。
ヨーロッパの絵画を中心にまる4時間ほど、自分の感性が飽和してしまうまでずっと鑑賞して回りましたが、とにかく巨大な規模ですね(^^;;)。
通った部屋の数だけでRichelieu、Sully、Denon (音響機器メーカーにあらず(^^;)。「ドゥノン」と読みます)の3翼合わせてざっと150、前に立った作品の数は1000を下らないと思いますが、それでも全体のやっと6割といったところですか。
大作が並ぶDenon翼の2階などはホール自体が遠近法のお手本みたいな雰囲気
です(笑)。
ミロのヴィーナス
やらラ・ジョコンダ
やらといった有名作品の前はさすがに人だかりがすごい
(これはラ・ジョコンダ
前)ですが、日本の美術展でこの手の作品が来たときのように「身動きとれないほどの混雑で、じっくり鑑賞する間もなく強制的に移動させられる」ようなことはなく、1、2分も待っていればすぐそばまで確実に行けますし、その気になればお目当ての作品のそばで何時間もいることだってできます。
…さすがに飽きちゃうかもしれませんが(^^;;)。
作品との間に柵などの障壁がなくてほんとに触れるくらいそばまで寄れたり、撮影OKだったりするのはヨーロッパでは割と普通なのでいいとして(日本だとどっちもまず×だけど…)、絵の具持ち込んで作品脇での模写
も各所で見られたのはさすがにびっくり。
これだけの環境がFRF49(日本円にして1000円弱)、さらに18才未満だと無料(!)で手に入ってしまうのですから、こっちのアーティストは恵まれてますよね〜。
街並みなどの「美術館外の作品」といい、彼我の美術的環境の差をつい感じてしまいます。
以前大英博物館を訪れたときには
やっぱこれって「大英帝国収奪品陳列館」だよねえ
という印象を非常に強く持ったのですが、ここLouvreでは自国の作品も多いこともあってか、そうした植民地主義的な印象は薄かったです。
――非ヨーロッパ美術の区画をほとんど回らなかったせいもあると思いますが(^^;)。
さて、旅行も終盤なので、そろそろ日本に持って帰るチーズも見つけておかないといけません。
というわけで午後はGenèveに引き続きfromagerie探しです。
フランス語ができるのなら市場まで出かけるところですけどね。
#市場に行くには時刻が遅いというのもある。
例によっての街並み鑑賞も兼ねて、セーヌ川周辺の商店街などをぶらぶらと。
Pont neuf (和訳すると「新橋」(^^;;)。でもパリ最古)
や繊細な造りが綺麗なポン・テザール
もついでに通ってみました。
――で15:00。Genèveのときもそうでしたが、案外fromagerieって見つからないもんですね(^^;;)。
小さな日曜市場みたいなところでは見つけましたがあんまり品揃えありませんでしたし。
仕方ないのでpont neufたもとのデパートSamaritaine (PrintempsやGaleries Lafayettesが三越、高島屋だとすると東急とか西武とかに当たるのかな?)へ。
ここは食料品の品揃えが良いらしいので。いわば「デパ地下」ですね(笑)。
#ほんとに食料品売り場B1Fだし(^^;)。ちなみにLa Gallery Lafaiettの食料品は2Fだったりするので、こっちだと「食料品=地下」とはいえないようです。
なお中の雰囲気はやっぱりパリでもデパートはデパート、デパ地下はデパ地下でした(笑)。
予想通り、他の食料品と一緒に日本のようにパック売り(といっても日本よりずっと種類は豊富ですが)してる他に専門のfromagerieが入っていたのでそちらでシェーブルを2種ほど購入。
一つは前から名前を知ってるpicodon、もう一つは謎の炭粉まぶした三角柱(^^;;;;)。
予想に反して売り場では全く英語が通らなかったのでやや苦労しましたが。
#大きなデパートだから通じやすいかと思ったのだけど…。
「要冷蔵」な荷物ができたので、宿の方角を目指しつつ引き続きお散歩。
途中で大きなネオ・ゴシックの教会
に出会いましたが残念ながらここもまた工事中。
と、この教会の裏手あたりに何やら€ののぼりあふれる商店街が。
どうも「ユーロ導入推進地区」みたいな感じです。まさかフランスでこんなのに出会うとは(^^;;)。
#「フラン最後の年」記念コインセットとか売ってるくらいだし。
もっともものの価格表示はここ以外でもかなりのところでフランとユーロの併記でしたけど。
そしてこの商店街にはこれまでいくつも商店街回っても見つからなかったfromagerieが何と3軒も。
懐かしのマーフィーの法則
をつい思い出してしまう瞬間です(笑)。
迷うことなくそのうちの一軒へ(3軒のうちどの店に入るかは悩んだけど…(^^;))。
するとここのおじさんは英語全く問題なく話せる人だったりもして(^^)。
いかにもラテン気質という感じのにこやかなお喋りをしばらく楽しんでから、タイプごとにおじさんのお薦めに従いclacbitou(シェーブル)、roquefort(ブルー。有名なpapillon社のも含め3種置いてあったうちの一つ。「これは最高に美味しい」のお墨付き。)、saint necaire(セミハード)と3種類のチーズを購入。
さらにカウンターの上の籠に積んであった安売り古シェーブルを一つおまけにつけてもらいました(^^)。
飛行機で持って帰るなら臭いが漏れないようにした方がいいね
と真空パックもしてくれました。どうもありがとう☆
パリ最後の、そしてこの旅行最後のディナーとなる今晩は私の希望でシーフードレストランへ。旅行中私が食事の希望を優先させたのはこことGrindelwaldのチーズフォンデュのたった二回だけでした(^^;)。
店先で牡蠣の殻割ったりして下ごしらえしてるの見てると何とも美味しそうなわけですよ。ノルマンディーからベルギーに至る一帯は牡蠣とムール貝の一大産地で魚介類料理の美味しい地域ですし。
どのくらい気に入っているかって、3年半前にブリュッセルで食べたときの記憶がいまだに鮮明に残ってるくらい(笑)。
パリの街ではこうしたシーフード料理店はあちこちにたくさんあるのでどこにするか迷ってしまいそうなところですが、「産地間近で、しかも街じゅうにあるようなものならどこに行っても逆に大差なし」と全く迷わずに宿のすぐ近くの店に(^^;;)。
ちなみに一昨日の夜食べた店のすぐ向かいだったりなんかします。
ほんとは「シーフード盛り合わせセット」が牡蠣、ムール貝、海老…といろいろあって美味しそうだったのですが、フラン現金の残高上の理由(^^;;)でムール貝のみに。
今回は特に使い切っとかないともう使えなくなっちゃいますからね。
味はやはり旬だけのことはあり、非常に美味しかったです(^^)。
ちょっと塩味強めでしたが、素材の旨味が強いんでこれは仕方ないところです。
しかしまさかムール貝だけで満腹できるほどの量が出てくるとは思いませんでした(笑)。
まさに丼いっぱいにぎっしりと。
なお、件の「シーフード盛り合わせセット」は近くの席の女性が注文したのでどんなものか見ることができました。
――あれは単純に量だけでもこのムール貝の倍近いんじゃないでしょうか…(^^;;;)。
#結構大食い&シーフード好きの私でもさすがにちょっと辛いかも。
違うものにしておいて結果的には正解でした。