ここも朝食がビュッフェスタイルでチーズの塊が置いてあることはweb pageにも載っていたので期待してました。
昨晩美味しいチーズを出してくれた店でもありますしね。
――で、ここで置いてあったチーズは3種類。
- 白かびタイプ:Double creamかな、というくらい甘みのある優しい味。
銘柄は毎度の如く不明。
- ハードタイプ1:直径20cm、厚さ7〜8cmくらいの饅頭型。内部は白っぽい象牙色。チーズアイは少なめ。
形はracletteによく似てる。
味、香りはきつくない程度にしっかり自己主張。若いgruyereがこんな感じだけど…(でもgruyereにしちゃ小さい)。
- ハードタイプ2:タイプ1よりもう一回り小さくて直径17〜18cm、厚さ7〜8cmくらいの円盤形。内部はやや暗めで透明感のある象牙色で、タイプ1よりややチーズアイ多め。
香りは弱く、舌触りはややクリーミーで甘い味です。Appenzellerじゃないかと思うんですが。
パンも2種類の大きな塊(太いフランスパンみたいなのが置いてあると思って)から自分でスライスするスタイル。他に小さな丸パンもありますが。
昨日のZürich以来全ての食事に共通しているのが、パンが基本的に全粒粉、卵なしのハースブレッドであること。それも結構ライ麦を加えてたりします。
前にドイツを旅したときもだいたいこんなパンだったので、この辺ではこういうパンが普通なのかもしれませんね。
そうそう、やっぱりハム・スライスソーセージ、ベーコンはありましたが野菜はありませんでした。まあこの辺りの気候で葉物野菜は厳しいと思いますが…。
パンも含め、やはり全体に塩味は強めです。
ヨーロッパ最高点鉄道駅Jungfraujoch(3,454m、展望台3,571m)を目指す本日の天候はあいにくの曇り。
ここから先はラックレールの旅路です。
モーター車の天井にある巨大な放熱器がここから先の傾斜をすでに物語っています。
#どうでもいいけど、Grindelwald駅のこの車止めと呼べないような車止めもすごい(^^;)。
このすぐ後ろに駅舎があるんだけど…。
発車するとギアの噛み合うごりごりいう音とともに列車は
何かの間違いとしか思えないような角度で山上へ。
カーブを曲がるときなどは
電車は曲がるもんじゃない、曲げるもんだ((c)「電車でD」)
という言葉をつい実感してしまうような乗り心地&音(^^;;)。
うーむさすがはラックレール。
Kleine Scheideggで列車をWABからJungfraubahnに乗り換えて目指すは終点Jungfraujoch。
このKleine ScheideggはInterlakenからの東回り、西回り双方のBerner-Oberland登山ルートが再合流する終着駅であると同時にEiger, Mönch, JungfrauのBerner-Oberland三山が一望できる絶好の展望ポイントとしても有名な場所です。
――が、山方向は雲に包まれてほとんど見えやしません(苦笑)。
Jungfraubahnの車両は
1950年代デビューの旧型と
1992年デビューの新型。今回往路は新型、復路は旧型でした。
#新型はまだ1〜2編成しかない様子。
これら2系の共通点は
もうすっかりお馴染みになったこのステッカー(ラックレールじゃないInterlaken〜Grindelwald路線でも見かけた…)と
2連のパンタグラフ。
ないに等しいプラットホーム(冬のスキーシーズンに合わせてるわけ)と2連パンタから厳しい自然環境がうかがえます。
Kl. Scheideggからの道程はこれまでをさらに上回って急傾斜。
(この写真は復路撮影。線路脇の電柱と電車の窓枠の角度を見てくださいな)
Eiger山腹、氷河の脇
を一気によじ登って最後は山中へ。
#最後2km、Eigerwand, Eismeer, Jungfraujochの3駅はトンネル内。
Eigerwand駅
あたりでちょうど雲に入り、終点Jungfraujochは雪雲の中(-_-;)。
辺り一面真っ白でほんとに何にも見えません。
そうそう、Jungfraubahnの車内放送は独仏伊西英日韓となんと7ヶ国語でした(@@;)。
(これまでの旅程は独仏英か独英。)
日本語アナウンスの内容が独仏伊西英と明らかに違っていたのが気になりましたが…。
#韓は内容が理解できないので不明。
氷河、というか万年雪を刳り貫いた氷のトンネル
を抜けて雪原(plateau)に出てみるとそこは吹雪。
本来ならスイスアルプスの山並みとAletsch氷河を一望できる野外展望スペースに向かう道
は
このように通行止め(笑)。
ちなみに氷のトンネル内にはあちこちに氷の彫刻が飾られているのですが、鷲や白鳥、イヌイット、聖母子像といったそれらしいものに混じって置かれていたのが
謎の力士像(笑)。なぜ?
#あとで現地のパンフレットとか読んでみると「彫刻を作っているアーティストの道具が日本製である」とあったのでその関連かも…。
何も見えないのは承知の上でエレベータを上がり標高3,571mのSphinx展望台へ。
雷避けのFarady cageが張り巡らされたテラスに出てみるとやはりそこは樹氷も育つ吹雪の世界(^^;;)。
すぐ隣のMönchの稜線すら霞む状態
では何もできず、日本に絵葉書をしたためた(「ヨーロッパ最高の郵便局」があるのだ)あとはサンドイッチ買って昼食としてました。
しかしさすがは3,000m超の世界。ちょっと動き回るだけですぐに息が切れますね…。
#でもこんな環境下でも子供は元気に駆け回るのでした。やっぱありゃ別の生き物です…(^^;;)。
復路のKleine Scheideggは
往路を上回る真っ白な雲の中(^_^;)。
#Grindelwald方面行きのポイントを眺めてたお爺ちゃんがあまりにいい味出してたので撮ってしまった…(笑)。
これはBerner Oberland三山を撮影するどころではなく、おとなしくInterlakenへと下山の途につきました。
ただし今度はWengen〜Lauterbrunnen回り。
Jungfrauの胸元に抱かれるようにして電車はゆっくりと牧場を下ります。
途中の天候は山らしく照ったり降ったりの千変万化。
晴れたときにはJungfrauの頂上すぐそばまで見えた瞬間もあった
(プリントをよーく見るとSphinx観測所のドームもうっすら雲越しに確認できる)ので、もう少し上で粘ってみてもよかったかも…。
脇のハイキングコースを歩いてた人たち
もこのあと大変だったかもしれません(^^;;)。
小さいながらも明るく華やいだ雰囲気の村Wengen(高さ数百mの断崖絶壁の縁にある)を通過し、私たちは終点Lauterbrunnenへ。
乗り継ぎまでちょっと時間があったので近くにある
Staubbachの滝まで散歩。
この滝、300mを超す高さの虚空を一気に落ちてくる割に水音が静かで、すぐ近くまで行かないと聞こえません。
実は水は霧状になって舞い落ちていて、滝の水量自体は意外なほど少ないようです。
線路脇の谷底を流れる川の水音の方が遥かに力強く荒々しいです(^-^;)。
ガイドブックには滝壷の近くまで行ける
とあり、事実滝壷の方へ向かうと思しき小径もあったのですが、残念ながら通行止でした。
「日曜日だから」とかそういう雰囲気でもないので素直に断念。
もしかしたら最近落石とかあったのかもしれませんしね。
#ほんとにいつ崩れても不思議じゃないように見えるけど、その割に何か対策しているようには全く見えない…。
おそらく村のメインストリートであろう駅前通りに並ぶ店はみな日曜日なので戸を閉めてお休み。
この辺は以前ドイツに行ったときにもHeidelbergで経験しているので驚きはありませんでしたが、さすがに警察署にまで「本日休業」の札がかかっていたのには絶句。
――警察って、定休日とかそういう性質のものでしたっけ…f(^^;;;)?
Lauterbrunnenでラックレールと別れ、昨日Grindelwaldに向かったのと同じBOB (Berner-Oberland Bahn)でInterlaken Ostへ。
ちなみにInterlaken OstではGrindelwald行きとLauterbrunnen行きは同じホームの前後から同時に発車します。
とった宿はInterlaken Westに近いので一駅だけ
Regionalzugで移動、朝Grindelwaldから送っておいた荷物を回収して宿へ。
#どうでもいいけどこの区間単線な上に本数が1本/時間くらいと非常に少ないです。
まあOst-Westの駅間は歩いても行ける距離なんでどうにもならないことはないんですが…。
駅からまるで中世そのままのような面影を残す街並み
を歩いてホテル併設のレストランへ…と思ったらドアに鍵が。
よく見れば「本日定休日」の看板。
そうか、まあ今日は日曜日だしな(Lauterbrunnenほどではないにせよ、Interlakenの店もあまり開いていなかった)、と思いつつホテル側の通用口があると踏んで建物の脇へ。
確かにそこにホテル出入り口はあったのですが、ドアの脇には
Sonntag ganze Tag Ruhetag
#意味は「日曜日終日休業日」
と大書された札が。
嫌な予感を感じつつドアを開けると果たして中は真っ暗でフロント(というかレストラン)方面のドアには鍵がかかってました。
電気を点けて1階(日本風に言えば2階)に上がってみてもやはり人の気配なし。やはりほんとに休みの様子です。
支払いはまだとはいえちゃんとweb経由で予約していた宿がまさか定休日という事態はさすがに想定していなかったので、いかにアバウトな私とはいえかなり危機感感じます。
#心配性の妹にパニック起こされても困るんでもちろん平静を装うわけですが。
さてこれはどうしたもんかね、と思いつつ、ひとまず駅へ戻るつもりで下に戻ります。
最悪ここに泊まれないとなれば急いで他の宿を探さないといけませんし、それなら駅の案内所が最善手でしょうからね。
――で、建物の外に出ようとしたところでふと目に止まったのがドアの内側に貼ってある紙切れ。
紐で綴じていたのをちぎってきたらしい紙に思いっきり斜めにコピーされた雑な用紙に何やら走り書き、セロテープでちょんと貼ってあるだけ。
勝手口に備忘録代わりにちょっと書いて置いてある、そんな感じなのですが、何の気なしに目を走らせてみると:
内藤様ご家族様/部屋は1階1号室です
#実際は全部ドイツ語で。まあ男女二人連れで苗字が同じだったら普通は夫婦だと思うわな(^^;;)。
と書いてありました。――っておい、いいのかそんな鷹揚な受付で(^-^;;;)!
その紙の通り「1階1号室」に行ってみるとおやドアに鍵が刺さってます(笑)。
うーむ、治安のよさで有名な日本でもよほど田舎に行かないとこんなことは危なくてできませんよね。
少なくともInterlakenくらいの規模の街ではとても…。
何よりもはっきりスイスという国の治安レベルを実感した出来事でした。
でもやっぱり事前にひとこと連絡ほしかったですが(^^;)。
#客がドイツ語読めなかったらどうするつもりだったのだろう…(^_^;)。
なおこの宿は窓にたくさんの花が飾られ、窓からの夜景がとても綺麗
な風情のある宿だったことを付け加えておきます。
部屋の設備は安宿相応ですが…。
ちなみにこの宿のTVは今回の全宿泊地中唯一日本語放送(NHK)の入るものでした。
何気なく点けたら大相撲中継。琴光喜が優勝インタビュー受けてました(笑)。
これ終わったら確かニュースだったよね、と眺めていると、中継後には「米国同時多発テロの影響により番組編成を変えて放映しています」の字幕。
ああ、やっぱりこっちでもそうか…と思っていたらその後の番組はなぜか「京の旅」だとか「みんなのうた」とか(笑)。
もしかして「テロ関連の番組変更で日本の放送からカットされた番組を並べて放映してる」んですか(^_^;;;)?
夕方日が落ちるまで近所を散策してたときに見つけたお店。
和訳すると「白十字」。
――でも制服はメイドさん風のあれじゃありませんでした(当たり前だ)。
#そういえばZürich→Luzern間にはRotkreuz (赤十字)って駅もあったな…。